2011年よりギャプライズは海外の先進的なツールベンダーと提携してきました。中でも各専任担当を置き、成果に注力し信頼を重ねてきたのが、第二のシリコンバレーであるイスラエルです。今回はイスラエル企業のYOTPO社でセールスマネージャーを務めるIdoが、母国の文化やギャプライズとの仕事について語ります。
多様性の国イスラエルで培ったビジネス観
イスラエルは世界各国から人が集まり続けている多様性の国です。人はみんな家族を大切にして、親は子どもが夢を描けるように教育をし、希望する将来像に近づくよう応援しています。
自分の父も経営者で投資などをしており、13歳のときには膝の上で投資やマーケットの動き、マーケターとしての考え方を教えてくれました。僕は父の影響を強く受け、常にビジネスについて考えることを楽しんでいます。ECサイトのeBayで物を売ったり、大学在学中にも学生向けにビジネスをふたつ立ち上げたりしました。
イスラエルでは高校が終わった18歳から、男女共に軍での兵役が2年以上あります。自分はチャリティー活動をしていたため19歳で入隊し、コマンダーとして5年勤めました。軍では責任を負うことや、自分で考え決断し、他人に指示をする方法なども学びます。軍で過ごす時間はイスラエルの子どもたちを大人へ成長させているのです。
兵役が終わると、ほとんどの人が海外に行きます。僕もアメリカでネイチャーガイド、ペルーやボリビアで旅をし、ポーランドの大学にて国際ビジネス経済の学士を取得したり、ベルギーや南ポーランドで働いたりしました。
25歳でイスラエルの大学に入学したので、ずいぶんと周りに比べ年上でした。先ほども申し上げたふたつのビジネスのうちのひとつは、中古教材の売買システムの設計です。大学の2年に上がった際、部屋の奥にしまい使わなくなる教科書を、下の学年の生徒に譲るシステムをつくりました。これは1年くらいやりましたね。そこでもうけることは考えておらず、役に立たない教科書をなくしたいという想いでやっていました。
2年生の最後の方ではGrade Boostというプラットフォームをつくりました。簡単に言うと、勉強ができる生徒が教師になり、授業を開催するというゼミのようなものです。これはいくつかの大学と提携までしていました。結局、すべて時間をビジネスに費やすことができなかったため辞めたのですが、今でも学生から問い合わせなどがきます。
このようにして、私はビジネス観を培ってきました。以降さまざまな会社で働きながら、2015年にYOTPOへジョインします。
伸びしろを見いだした、驚きと困惑の日本マーケット
日本でギャプライズと働き、本当にたくさんのことを学びました。日本のマーケットはイスラエルやアメリカとは大きく異なり、もはやまったく新しい世界と感じていました。
正直担当になった当初は困惑の方が多かったです。何事にも時間がかかり、平均の販売単価は他国と比べて低いなど。またAPIが浸透していない、クライアントから信頼を得ないと物事が進まない、信頼を得るためのいちCSM(カスタマーサポート担当)は、アメリカに比べて多くのクライアントを保持することができないなどです。
あと、日本人はたまに仕事をやりすぎることがありますね、イスラエル人はよく働きつつも家族のために仕事を抜けたりしますよ。
とはいえ、YOTPO社でも日本はポテンシャルが大きいマーケットと捉えていますが、日本特有のマーケティングとして、会社と商品に対して信頼を得ないと購入されないため、他の人がどう商品を使うかという体験がたくさんシェアされる必要があります。
今では日本でビジネスをする上で、「仕事が人と人との信頼で成り立っていること」を意識し大切にしています。たとえば、人の反応や購入時の意思決定の仕方、営業の仕方、コミュニケーションの仕方などです。これらで信頼関係やつながりを育んでこそ、日本のクライアントのロイヤリティ(Loyalty)が高まります。ギャプライズのスタッフも、会社や仕事に対してのロイヤリティを非常に強く感じています。
他にも、機能や売上を伸ばすだけが仕事ではないと知ることができたので、日本の文化をリスペクトするとともに学ばせてくれたことにとても感謝しています。
将来展望を左右するギャプライズとの取り組み
ギャプライズと共に働く上でも、強い関係性を築くにはどうすればいいのかすごく考えました。具体的には、毎回のMTGは必ずしもうまくいかなくてもいい、という理解などをしています。
関係値を積み重ねてきた結果、今では友情を感じていますし、日本に来てギャプライズのメンバーと会ったときには家族のようにも感じられます。1年という短い時間で、日本人ではない自分がギャプライズのYOTPOチームとこんなに仲良くなれたのは、メンバーの温かい心のおかげです。
来日しているときの食事会での一体感や、普段の何気ない会話の端々に同じメンバーとして、招き入れてくれている雰囲気をとても感じています。こんなにアットホームなのかと信じがたいくらいだと思っています。
YOTPO社には直販以外にパートナーシップ(クライアント紹介)とリセラーから取引があるのですが、リセラーとして本社と同じように営業、サポートなどのチームを社内に置き動いているのは、ギャプライズだけです。直近まで収益性の高いパートナーシップの方が注力されていたのですが、2019年からリセラーが重要視され、僕も特化して一緒に取り組んでいます。
2020年には他国でもリセラーが立ち上がるよう形を強化しています。ですので、ギャプライズとの取り組みはわが社としての重要な将来展望なのです。
中長期的な日本市場への展開と戦略
日本でのYOTPOは、ツールが徐々に知られ始めたフェーズであると捉えています。その拡大は日本のEC業界においてゲームチェンジャーになると確信しています。
また、日本では浸透を促しているフェーズなのでUGCマーケティングツールとして活動していますが、実は2018年にSwell社と締結してから、ロイヤリティを重視したソリューションに方向性を変えています。
締結の背景には、クライアントの不便がありました。YOTPOは今までUGCに特化していましたが、ECクライアントはUGCの活用のために10種類以上の有料ツールを駆使していることがわかったのです。しかも、そのツール同士のデータはシェアされないという問題がありました。
今後はクライアントのお金と時間を効率化させる方法を考え、コマースマーケティングクラウドとして成長していきます。2020年には日本でも提供予定です。
SaaSモデルの中でもYOTPOの成長スピードはトップクラスにおり、他ツールとのシナジーがとても強いです。機能ごとの競合ツールはありますが、YOTPOほど幅広く使えるツールは他にありません※。今後も日本国内のマーケットにおいても、YOTPOをうまく活用して、事業成長に活用してもらえる企業が増えることを願っています。
※YOTPOの機能範囲はレビュー、VMS(写真)、ロイヤリティ、リファラル、AI学習(英語のみの対応)